叢生・でこぼことは

歯が歯列から外れて生えていたり、重なり合って生えていたりする状態です。「乱杭歯」とも呼ばれ、特に上顎の犬歯が外側に飛び出した状態は「八重歯」と呼ばれます。
現代人に非常に多い不正咬合であり、見た目の悪さだけでなく、歯列のアーチが不規則になるため、全体的な噛み合わせの調和が乱れていることが多い状態です。
日本人の不正咬合の中では、相談件数が最も多い疾患の一つです [叢生, p.3, 11]。
叢生・でこぼこの原因

主な原因は「歯の大きさと顎のサイズの不調和」です。
顎が小さくて歯が並ぶスペースが足りない、あるいは歯自体のサイズが大きすぎる場合に、歯が重なり合って生えてきます。これをアーチレングス・ディスクレパンシーと呼びます。
また、乳歯が虫歯などで早期に脱落し、後続の永久歯が生えてくるスペースが閉じてしまった場合にも、後から生える歯が列からはみ出してしまいます [叢生, p.27, 101]。
叢生・でこぼこを放置するリスク

歯が重なり合っている部分は歯ブラシの毛先が届きにくいため、プラークが蓄積し、虫歯や歯周病になるリスクが非常に高いです。
特に八重歯の周囲は汚れが溜まりやすく、若いうちに歯を失う原因となります。
また、特定の歯に過度な噛み合わせの力がかかり、歯根吸収や知覚過敏を引き起こすこともあります。
さらに、見た目の悪さがコンプレックスとなり、精神的な負担になることも懸念されます [叢生, p.21, 193]。
叢生・でこぼこの治療とは

治療の基本は、歯をきれいに並べるためのスペースを確保することです。
軽度の場合は、顎の横幅を広げる(側方拡大)や、奥歯を後ろに下げる、歯の表面を少し削る(ストリッピング)などで対応します。
スペース不足が著しい場合は、上下左右の小臼歯を抜歯して、その空きスペースを利用して歯を整列させます。近年は、マウスピース型装置やリンガル(裏側)矯正でも高い治療効果が得られています [叢生, p.275, 295, 307]。