交叉咬合とは

上下の歯を噛み合わせた時に、奥歯の噛み合わせが左右のどちらかにズレている状態を指します。
本来、上の奥歯は下の奥歯に対してわずかに外側に位置すべきですが、交叉咬合ではこの関係が逆になり、上の歯が下の歯の内側に入り込んでしまっています。
左右どちらか一方に起こる「片側性」と、両側に起こる「両側性」があります。顔のゆがみを引き起こしやすい不正咬合の一つです [Proffitの現代矯正学, p.142; わかる矯正歯科治療, p.132]。
交叉咬合の原因

主な原因は上顎の横幅が狭いことです。
骨格的に上顎の成長が不足している場合や、幼少期の指しゃぶりで頬の筋肉が上顎を内側に押し続けたことで生じます。
また、頬杖をつく癖や、片側だけで噛む癖、寝る時の姿勢などの生活習慣が原因で下顎が左右非対称に成長し、噛み合わせがズレることもあります。
鼻詰まりによる口呼吸が、顎の正常な広がりを妨げることも一因となります [Proffitの現代矯正学, p.143; 反対咬合, p.167]。
交叉咬合を放置するリスク

成長期に放置すると、噛み合わせのズレに合わせて下顎の骨が非対称に成長してしまい、顔が大きくゆがむ「顔面非対称」を引き起こします。
一度骨格的にゆがんでしまうと、矯正治療だけでは改善できず、骨を切る手術が必要になる可能性が高まります。
また、顎の関節の動きが左右で不均等になるため、顎関節症を誘発しやすく、特定の歯に過度な力がかかって歯周病が悪化するリスクもあります [反対咬合, p.22, 167]。
交叉咬合の治療とは

上顎の横幅を広げることが基本となります。
子供の場合は「急速拡大装置」や「クワドヘリックス」などの装置を用いて、狭くなった上顎を効果的に広げ、左右のバランスを整えます。
成人の場合でも、アンカースクリューを併用した拡大装置「MSE」を用いることで骨格的な改善が可能です。
骨格的なゆがみが著しく顔の変形が目立つ場合には、外科手術によって顎の位置を正中に戻す治療を行います [わかる矯正歯科治療, p.254; 反対咬合, p.307]。