切端咬合とは

上下の歯を噛み合わせた時に、上下の前歯の先端(切端)同士がちょうどぶつかり合う状態を指します。
正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯をわずかに覆っていますが、切端咬合では隙間も被さりもなく、刃先同士がぶつかっています。
これは、下顎前突の初期段階や軽度な反対咬合の一種として分類されることが多いですが、審美的には一見きれいに並んでいるように見えることもあります [反対咬合, p.5; わかる矯正歯科治療, p.6]。
切端咬合の原因

主な原因は、上下の顎の骨格的なズレが軽度にある場合や、前歯の生える角度が不適切な場合です。
下の前歯が少し前に出ている、あるいは上の前歯が内側に傾斜していることで生じます。
また、幼少期の指しゃぶりや舌の癖などが原因で、前歯の適切な萌出が妨げられた場合にも起こります。
成長とともに下顎が前方へ成長し、反対咬合へと移行していく過程で見られることもあります [反対咬合, p.5; わかる矯正歯科治療, p.6]。
切端咬合を放置するリスク

最大の欠点は、歯の先端同士が常に強くぶつかるため、前歯の摩耗(すり減り)が非常に激しくなることです。
長期間放置すると、歯が短くなったり、先端が欠けたりして、審美性が損なわれるだけでなく、知覚過敏の原因にもなります。
また、前歯がストッパーの役割を果たせないため、顎の動きが不安定になり、顎関節症を引き起こしたり、奥歯に負担が過剰にかかって奥歯の寿命を縮めたりするリスクも伴います [反対咬合, p.5; わかる矯正歯科治療, p.6]。
切端咬合の治療とは

マルチブラケット装置を用いて、前歯の傾斜角度を修正し、適切な「オーバージェット(前後の重なり)」と「オーバーバイト(垂直的な重なり)」を作ります。
上の前歯を少し外側に出し、下の前歯を内側に入れることで、正常な被蓋関係を確立します。
骨格的な要因がある場合は、アンカースクリューを用いて歯列全体を後方に移動させたり、成長期であれば下顎の成長を抑制する装置を併用したりします [わかる矯正歯科治療, p.6]。